2026.08.31

「怒られた記憶しかない」注意・叱る・怒るの違い
eスポーツ専門放課後等デイサービスTJ-es

こんにちは。札幌eスポーツ専門放課後等デイサービス「TJ-es」です。
eスポーツ専門放課後等デイサービス TJ-esは、13歳〜18歳(中高生)の世代が、eスポーツを通して将来必要な働き方・働くスキルを学べる場所です。

「小さい頃から怒られてばかりだった」

「学校では怒られた記憶しかない」

学生と話をしていると、ときどきそんな言葉を聞くことがあります。

しかし、当時の出来事を詳しく聞いてみると、本当に毎回強く怒られていたというより、

「忘れ物を指摘された」
「授業中の行動を注意された」
「約束を守れず叱られた」

といった出来事まで、本人の中ではすべて「怒られた」という記憶になっていることがあります。

特にADHDASDなどの発達障害の特性がある子どもたちは、日常生活の中で注意を受ける機会そのものが多くなりやすいため、この積み重ねについて考えることが大切です。

「注意」「叱る」「怒る」は同じではありません

似たような言葉ですが、それぞれ少し意味が違います。

注意するのは、行動について知らせたり、修正を促したりすることです。

「廊下は走らないよ」
「提出日は今日だよ」
「声の大きさを少し下げよう」

などがこれにあたります。

一方、叱るのは、危険な行動やルール違反などに対して、「なぜその行動を変える必要があるのか」を伝え、より良い行動につなげようとする関わりです。

そして怒るは、腹が立つ、イライラするといった大人側の感情が強く表れた状態です。

もちろん実際の場面ではきれいに分けられるものではありません。

注意しているうちに声が強くなることもありますし、叱る中に感情が入ることもあります。

ただ、「行動を修正するために伝えること」と「感情をぶつけること」は、本来同じではないということは知っておきたいところです。

なぜ全部「怒られた」になってしまうのか

たとえば、忘れ物が多い学生がいたとします。

先生から、

「プリント持ってきた?」

と言われただけなら、先生としては確認や注意のつもりかもしれません。

でも、同じようなことを何度も指摘されている本人にとっては、

「また自分だけ言われた」

という経験になります。

ADHDの特性による忘れ物や提出物の管理の難しさ、衝動的な行動などは、本人が気をつけていても繰り返してしまうことがあります。

ASDの特性がある場合も、暗黙のルールや相手の意図を読み取ることが難しく、本人には悪気がなくても注意される場面が生まれることがあります。

一つひとつは小さな注意でも、それが毎日、毎週、何年も続けば、

「自分はいつも注意される」

そして、

「自分はいつも怒られていた」

という記憶として残ってしまうことがあります。

大切なのは「怒ってないよ」と否定することではありません

ここで、

「それは怒られたんじゃなくて、注意されたんでしょ」

と訂正するだけでは、本人の感じてきたつらさは消えません。

大人から見れば軽い注意でも、本人にとっては何度も繰り返された嫌な経験だったかもしれないからです。

まずは、

「そう感じるくらい、注意されることが多かったんだね」

と、その経験を整理することが大切だと思います。

そのうえで、

「注意された=あなた自身を否定された、ではない」

「行動について言われたことと、自分自身の価値は別」

ということを少しずつ分けて考えられるようになると、受け止め方も変わってきます。

TJ-esでも「何について伝えているのか」を大切に

TJ-esでも、学生へ注意をすることはあります。

時間を守ること、相手が嫌がることをしないこと、施設のルールを守ること。

社会に出ていくうえで必要なことについては、きちんと伝えなければなりません。

だからこそ私たちは、単に「ダメ!」で終わらせるのではなく、

何が良くなかったのか。
次はどうすればいいのか。

できるだけ行動を具体的にして伝えることを大切にしています。

eスポーツでも同じです。

試合中に感情的になって強い言葉を使ってしまったとき、負けたことを責めるのではなく、「その言葉を相手が聞いたらどう感じるだろう?」と一緒に考える。

時間になってもゲームを終えられなかったときも、「ゲームをすることが悪い」のではなく、時間を守るために次はどうするかを考える。

注意されない環境をつくることではなく、注意されたときにも自分自身を否定されたと思わず、次の行動につなげられるようになること。

それもTJ-esで身につけてほしい力のひとつです。

「怒られた」だけで終わらない経験を

子どもが「怒られた」と話したとき、

「何をしたの?」

だけではなく、

「何て言われたの?」

と聞いてみると、見えてくるものが変わるかもしれません。

本当に感情的に怒られたのか。

ルールについて叱られたのか。

行動を変えるための注意だったのか。

そして、本人はそれをどう受け止めたのか。

注意を受けること自体は、これから大人になってもなくなりません。学校を卒業して仕事を始めても、間違いを指摘されたり、行動の修正を求められたりすることはあります。

だからこそ、「注意された=自分はダメ」と結びつけるのではなく、自分自身と、自分の行動を切り分けて考える力を少しずつ身につけていくことが大切です。

TJ-esでも、学生たちが「また怒られた」で終わるのではなく、

「次はこうしてみよう」

と次の行動へつなげられるよう、一人ひとりに合わせた関わりを続けていきます。

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